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星と嵐

「神々の山嶺」を読んだこと、ウクレレの生徒さんから山登りを始めた話を聞いたこと、知り合いのバーの店長が今現在、東京都最高峰、雲取山に登っていること。そういったことが数日中に重なって、すっかり山に興味が出てしまいました。(そういえば僕らの音楽スタジオの隣のカフェのオーナーは元山岳部。ガチガチの山男山女でよく山の話を聞いてたなあ。)
しかし生粋のインドア派である僕はそこで山に登ろう、とはならず、山の話を読もう!となります。

そこでガストン・レビュファの「星と嵐」を購入しました。この本はアルプスの最も有名な「6つの北壁」を登攀したガストン・レビュファの山岳紀行です。(代官山蔦屋書店の旅のおすすめコーナーにあって偶然手に取りました。)
僕は山の知識がほぼ全くないので、出てくるワードがさっぱりわかりません。例えばこんな文。
  氷のバンドをトラヴァースし、ザイルの三ピッチで『75メートルの凹状岸壁(ディエードル)』に達した。
さっぱりわからないのですが、話を追っていくと不思議なものでなんとなくわかるようになってきます。

僕が特に気になったワードで、ビヴァークという言葉があります。
「星と嵐」の前書きにも、
ヒマラヤでのキャンプ・ファイア、谷間や氷河でのキャンプ、アルプスの山小屋の夕べと宿り、山での夜こそは、アルピニストの生涯でも最も美しい思い出だろう。なかんづく星空をあおいでの山上のビヴァークこそ、いつまでも思い出に残るすばらしいものだ。
と書いています。

ビヴァークという言葉をイメージすると、大地に寝っ転がって、満天の星空を見ながら眠るイメージが浮かびます。なんでこんなイメージがわくのだろう、と考えてみると、昔オーストラリアのウルルー(エアーズロック)に行った時の記憶なんですね。
ウルルーに立ち寄る前の晩、僕らは近くのキャンプ場で一晩をあかしました。バス観光で一人旅だったので、同じツアーの若いバックパッカーたちと自然と仲良くなりました。その夜はテントの中でみんなと一緒に話をしたり、トランプをしたり。その時ツアーの添乗員がやってきて、「すごく綺麗な星空だし暖かいから、外に出なよ。」と言ってきました。
そこで我々が外に出ると、目の前で星を掴めるくらいの圧倒的な星空。そこかしこで流れ星。僕らの周りにある明かりはランタンくらいのものなので、星の明るさが目に眩しいくらい。そこで寝袋を取り出して、満天の星空を眺めながら眠りにつきました。

星空をあおいでの山上のビヴァーク、なんてワードを見ると、ついそのメージが湧いてしまい、夜空に包まれているような暖かい気持ちになれます。

なんて文章を書きながら、ビヴェークをGoogle検索してみると、ビヴァークとは緊急的に野営をすることで、テントを張るスペースがない場合などに着の身着のまま寝ることのそうです。
画像検索するとさらにヘヴィーな状況下でのビヴァークをたくさん見ることができます。
うーん、だいぶイメージと違ったなあ。

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