まさか2017年にファミコンでハイスコア争いをすることになるとは思わなかった。
ファミコン、というのは昭和世代のお母さん方がゲームの総称を指して言う「ファミコン」ではありません。
任天堂が1983年に発売した家庭用ゲーム機の初代ファミリーコンピューターのことです。
あのえんじと白の可愛いボディ。
近所にあるゲームバーでファミコンを懐かしさのあまりやるようになったのが1年くらい前。
そこで毎月1本オールドゲームを選んで、そのゲームのハイスコア争いが開催されていました。
ハイスコアとはそのゲームで1番高い点数を取ることです。
なんとなしにやっていくうちに僕もハイスコア争いに参加していました。
そこで毎月ハイスコア表に載っている名前を覚えていくわけですが、
必ず名前が挙がっている人がいて、まだ会ったことはないけど噂の「ゲームマスター」
と仲間内で呼び合っていました。
僕らはゲームオーバーになるたびに、「ゲームマスター」が叩き出した、超えられないハイスコアたちを畏敬の念で眺めていました。
ついに本人に会った時は、ちょっとアイドルに会った時のように緊張しました。
あとあと話を聞くと、その人は僕も知っているアニメの監督さんでしたが、
そんなこと関係なくゲームの上手い兄ちゃん、ということで尊敬できます。
この感覚は小学生時代の近所の裏技を知っている兄ちゃんを憧れの目で見る、
あの感覚に似ています。
その後、「ゲームマスター」の牙城は崩れ、
製薬関係のSさんとリペアマンのTさんの2強時代がやってきています。
もう僕はハイスコア争いから遠く離れ、
強くなりすぎた人々のゲームプレイをはるか後陣から眺めるばかり。
インターネットですぐに情報を調べられる2017年に、
噂だけで聞く人に会ったり、口コミで攻略法を教えあったり、
こいったアナログ感覚は懐かしく楽しいものでもありますね。