YouTube演奏動画

チェックポイントを作ろう

音楽を作る、
というのは作らない人にとって難しいことのように聞こえますが、 基本さえ知っていればある程度まで形にすることは簡単です。
だれだれ風の曲を作ってよ、と言われればその人の特徴 (メロディの動きだったり、コード進行、あるいは編成の方法論) をコピーすれば、「っぽいもの」を作ることができます。

さらに今の時代だと、サンプルのループ音源はたくさん出ているので、 コンピューター上にもともと入っている音源を並べ替えるだけで、 「っぽいもの」は作ることができます。

でもそれで自分自身が満足できるかは別問題です。
ほとんど完成系まで見えていても、そこに「芯」がなければ、 自分にとっては全く意味のない音楽になってしまいます。

その「芯」を作るために、 自分が作ったものが人に聞かせて恥ずかしくないレベルになるために、 自分自身でチェックポイントを作らないとなあ。
この機会にちょっと羅列してみます。

一つは「シンプルだけど複雑なもの」。
僕は誰でも一聴して分かるポップさを持ちながら、 繰り返しの視聴に耐えうる強度を持った曲が好きです。
複雑なものを作るための複雑さ、にはあまり興味がありません。
なるべく簡単で、でも複雑なものを目指したいですね。

次は「丁寧にやろう」。
アドリブでどんどん作っていく作業も好きですが、 必ず後日見直して、しっかり精査できるようにしたいですね。
僕はどちらかというとせっかちなので、必ずブレーキを踏んで、 振り返るようにしたいです。
常に「本当にこれでいいのか?」と自分自身に聞き続けないとなあ。

次は「必ず一つは新しいことにトライする」。
同じ作業の繰り返しにならないために、必ず新しいチャレンジはトライしていきたいです。
音楽的な仕掛けや、手法の変更。機材面の思考。
やったことのないことはたくさんありますね。

「クロスオーヴァーさせる」
一つの価値観だけで曲をまとめないようにしたいです。
もうすでにこの世界にあるものの再現だけでは、面白くないので、 必ず新しい価値観を混ぜていきたいですね。
キャラメルに塩を混ぜるような(それが美味しいかどうかは置いておいて)、 そんな面白い考えかたで音楽を作りたいですね。

なんだか羅列してしまいましたが、 もっと深く考えておかないとなあ。

ミュージックパーティー

今年1月に行われたミュージックパーティーの映像が完成しました!
Acousphere Guitar Schoolの生徒さんの発表会の模様です。

初めて発表会に出演する生徒さんから長く続いている生徒さんもいて、 回を重ねるごとにどんどんレベルも上がっていくので嬉しいですね。
次回はさらにレベルアップできるように教えていきたいですね!

散髪が好き

散髪が好きだ。
床屋、美容院、美容室。
どこでもいいですが、散髪が好きです。

日常には判断すべきことがいっぱいあります。
使うべき歯磨き粉のメーカーや、今日履くべき靴。
出発時刻と到着予定時刻から算出される、仕事場へ向かう最短の交通方法などなど。

でも散髪に行けば、
「おまかせで」
と一言言えば、そのあとは眠るのも自由、本を読むのも自由。
美容師さんと話をするのも自由。

日常から解放されて、自由を満喫できます。
頑張るのは僕ではなく美容師さん。
寝ているだけで、起きたら一仕事終わっています。
自分は何も頑張っていないのに、一つタスクを達成した満足感に浸れます。

気分はさながらどこかの国の王様、お姫様。
あるいはベルトコンベアーに乗せられた毛をむしられるのを待っている七面鳥ですね。

そんなわけで、散髪が好き。
毎週行きたいくらいだなあ。

焼き鳥

近所に贔屓にしている焼き鳥屋があります。
味は美味しく、値段も安く、かなり気に入っています。

昔、焼き鳥屋のバイトをしていたこともあり、 焼き鳥はちょっと知っているぜ、なんて格好をつけていました。

しかしこの店では安い値段で提供していることもあり、 鳥の質などは他と大差ないように見えるのですが、 美味しい。
何が違うんだろう。
と思って、焼き場を眺めていると、 焼きがものすごく丁寧です。

少し焦げたりすれば、そこをハサミなどで落とす。
常に火の強い場所、弱い場所を見つけながらずっと気を使い続けている。
白ネギなんか、薄皮がなく、焦げの比率もちょうど良い。
口に入れると、中身がとろんとして、食べていて気持ちが良い。
炭も違うのかなあ。
見ていて本当に気持ちが良くなる仕事です。

材料は(おそらく)同じでも、丁寧にやればこんなに差が出るんだなあ。
逆を言えば、どんなに素晴らしい材料でもちょっとずつ手を抜けば、 気づいたときには台無しになってしまっている。
そういう仕事も時々見かけますね。

僕も気をつけよう。

ギタリストの外園武彦さんと談笑

ギタリストの外園武彦さんと談笑。

外園さんのレッスン中に聞こえるギターの音色を聞くと、 いつも凄いなあ、と感心させられます。
それは一人で音楽が成り立っているからです。

ギターの伴奏を爪弾いているだけなのですが、それだけで他の楽器隊の音、 特に打楽器やパーカッションが立ち上がってくる。
その上、音色にも丁寧に気が配られて、今にもメロディが聞こえてきそう。
つよくて、やさしい演奏だなあ、といつも思わされます。

おそらく同じ演奏、同じ道程を練習やライブで何度も通って、 さらに細部にこだわっていくことで、生まれてきたつよさなんでしょうね。

つよさがないと、人はやさしくなれない、と僕は思っています。
やさしい人はつよさがある。

そんな話を外園さんにしていると、 「麻生くんの方が一人で成り立っていますよ。」と返されました。
「僕は伴奏だけですから。」
いやあ、謙虚だなあ。

Aerial池田さん送別会

Acousphere RecordのAerial池田さんが今月末に実家に帰省されます。
地元滋賀で独立して、音楽活動やレッスンを行います!
(ただし東京にも生徒さんは沢山いるので、 月に1回は東京に来てレッスンをしてくれるそうです。)

というわけで池田さん送別会。
椿山荘でおしゃれなコースランチをいただきました。
椿山荘はもともと山県有朋の邸宅だったようで、 東京の真ん中に広大なお庭の広がる、美しい場所です。

池田さんとはもうギターの生徒だった頃から、 10年来の付き合いです。
初めて人のサポートをしたのも池田さんのライブだったかな。

寂しくなるかな、と思っていたのですが、 前進するためにそれぞれ歩んでいくので、 次に行く場所はさらに良くなるはずです。
そう思うと、悲しいよりは、お互い頑張ろう! というポジティブな気持ちになります。

思えば僕はメランコリックな気持ちになったことがあまりないです。
常に次に行く場所は、今より良い場所。
と信じている(あるいは自分をそう騙している)ので、 悲しくならないのかな。

それに本気で会いたいと思えば、いつでも会えますからね。
さらば!

Tuck & Pattiさんのクレイジネス(続・トラブルシューティング)

トラブルについてAcousphere奥澤さんと談笑。

以前奥澤さんがアメリカのTuck&Pattiの家に遊びに行った時のこと。Tuckさんがプロデュースしている音源を聴かせようと、 スタジオの電源を入れたのですが、どうも音が出ない。

そこからTuckさんがマイクプリやらのチャンネルストリップ、ミキサー、 それらをつなぐケーブルをチェックし始めたそうです。

30分ほどPattiさんたちとコーヒーを飲んで待っていたそうですが、 ニコニコして戻って来たTuckさんは言いました。
「今日は音を聞くのは無理そうだ。明日の朝にしよう!」

翌日の朝、ニコニコしたTuckさんが玄関で向かい入れてくれ、音源が聞けるようになったことを伝えてくれた時、 Pattiさんが、
「Tuckは機材を一晩中寝ずに点検して、直していたよ。」
と言ったそうです。

普通だったら諦めて、翌日聞けなくなったことを伝えればいいのに。なんて思ってしまいますが、 おそらくTuckさんはそのことをトラブルだとも思ってなかったんじゃないでしょうか。

トラブルをトラブルだとも思わず、嫌な顔一つせず嬉々として解決する。 なぜならそれが自分にとっての普通だから。

そういえばライブ前のサウンドチェックの時もものすごく時間をかけるお二人。 どうも会場の音が気になっているのか、 2時間ほどライブの直前までそこにこだわって会場の全スピーカーをチューニングしていました。

天才と狂気は紙一重と言いますが、トラブルをトラブルと認識せず、 楽しんでそれをやっている人にはかなう気がしませんね。
うーん、クレイジー。

トラブルシューティング

昨日は生徒さんのレコーディングをお手伝いDay。
ギターでのメロディのレコーディングということで、ひとつひとつを丁寧に教えていきます。

教えていると様々なトラブル(例えば演奏の仕方に問題があり、ノイズが出たりする) がでてきました。
それらを解消する方法を伝えていると、 自分がはじめてのレコーディングの時に感じたこと考えたことを思い出します。

僕がはじめてレコーディングした時も、 ノイズやリズム、音のヌケの悪さなど、 たくさんの問題点が見つかり、 その都度トラブルシューティングしてきました。
解決してきた問題の数だけ音楽的にもエンジニア的にもレベルが上がってきましたね。

先日、70歳を超えた方に 「これまでの人生で一番辛かったことは何ですか?」 と尋ねたら、半年ほど前に起こったことが一番辛かった、と答えてました。
70年も生きてきて、たった半年前のことが一番辛かったのか。
生きることはトラブルシューティングし続けることなんだなあ、なんて考えてしまいました。
まだまだやってくる未知のトラブルのことを想像すると、クラクラしてきます。
しかし「困った時がチャンスです。」と歌にもあるように、一つ一つ丁寧にトラブルをクリアして、レベルを上げていきたいですね。

さて、今日はどんな問題がやってくるのかな。

ことば

リゾートミュージックを作るにあたって、 今回は新しい試みで詞先のオリジナル曲を作っています。

これまではコンセプトありきでメロディを作ってきました。
しかし数曲作った後に、出来上がったメロディがあまり歌ってないことに気づき、 後で詞をつけてきました。
今回はその逆ですね。

ことばがあると、音楽のメロディがしっかり歌ってきます。
またそのことばから連想されるムードやグルーヴが楽曲に骨格を与えます。

当たり前ですけど、ことばというものは大きい力を持っていますね。
愛情もケンカも戦争も、お互いのことばの交換の結果に生まれているような気がします。
ことばの力はあまりに強すぎるので、ことばがなくなって音だけで気持ちを伝えられるようになったら、 気楽な世界になるのになあ、なんて思ったりもします。
(でも音楽ではグルーヴの違いで演奏者同士が合わなかったりするので、結局はことばも音も同じか。)

最終的には誰にも伝わらない、音になる詞を書いていると、 秘密のメッセージを石に刻む古代人になったような気がします。

手紙を瓶に入れて海に流す人も同じような気持ちだったのかな。

雨、降らし続けていたらええねん

レーベルメイトのギタリスト林本くんがドラム練習を始めたよう。
自分のリズムをさらに良くしたいとのことだそうです。
うらやましいなあ。

僕たちもアーティスト活動やサポート、音楽講師業など音楽周りのことでいろいろ仕事をしていますが、 そんな中でも自分自身のスキルアップも身につけていかなければなりません。
かくいう僕も早弾きの練習、ジャズのアドリブ、打楽器での様々なグルーブの練習などに重点を置いて、 今年は取り組んでいます。
地道な作業ですが、自分の武器を強化していくために必要な作業でもあります。

ふと周りを見渡すと、いろいろなライブに出て、サポートをして活躍しているミュージシャンたちもいます。
たくさんのオーディションに出て、仕事を勝ち取るミュージシャンもいます。
昔はもっと力をつけてからの方がいいんじゃないか、なんて思っていましたが、 彼らはそういったイベントを繰り返す中でおのずと力量が上がってきて、目標の仕事をつかんできました。
やはり三振を怖がらずにバッターボックスに入り続けるというのも大事ですね。
僕は今は音源制作を通してCDというバットを作っている最中です。
完成したら振っていくぞ。

僕の好きな話で「雨、降らし続けていたらええねん。」という話があります。
売れない芸人が売れるために流行に合わせて自分のできないことをしても、結局流行の後追いになってしまう。
ただずっと地道に自分のできることをやり続け、その場所に雨を降らし続けていたら、いつか人々がその下を通ってくれるだろう。
それがたまたま流行になっていくんだろう。
という話です。結局その人はまだ売れていない、っていうオチなのですが。

やり方は人それぞれですが、やり続けていたら何かいいことあるかもしれません。
今日もがんばるぞー。

春の風

昨日は春のような天気の良い日でした。
東京では風が強く、運転中もどこからか 吹き飛ばされてきたゴミが道路のあちこちに散乱していました。

そんな風に舞うゴミを見ながら、ふと思ったんですが、 あのゴミはどこから来て、どこへ行くんでしょうかね。
そもそもそれらはゴミではなく、誰かの大切な物だったのかもしれません。

無くなった理由がわからない物って誰しもあると思うのですが、 (誰かにもらったお守り、集めていたビックリマンシール、思い出の手紙。) それらは何らかの理由で風に吹き飛ばされてしまったのかも。

よく庭掃除をしていると、必ず落ち葉が溜まる角のようなところがあります。
おそらく建物の関係上、風や車に吹き飛ばされたゴミが、あちこちからその場所に集まるのだと思います。

そういった場所がどこかにあって、すべての人が無くしたものたちがそこで本来の持ち主を待っているとしたら、面白いなあ。

判断疲れ

今日は朝から渋谷ロックオンに行って、 遂に念願のマイクプリ&コンプレッサーのチャンネルストリップDbx676購入しました!

ロックオンの店員さんが親身に相談に乗ってくれ、結局もともと狙っていたものとは違う機種を購入。
いろいろな実機も試したのですが、つまみも多く、幅広いニーズに応えられるDbx676に決定しました。

さらに以前から懸案事項だったストリングスのソフト音源もVIENNA SPECIAL EDITION vol.1に決定。
これでLogic純正音源で打ち込んでいたストリングスのトラックを差し替えられます。
最終的には想定していた金額よりだいぶ安く、必要な機材をそろえることができました。

これで製作に専念できるぞ!
早速スタジオでマイクプリを試そう!
なんて思っていたのですが、帰宅後はぐったり。

最近はレコーディングにエディット、そして通常のレッスンとパワフルに動いた中、 さらに毎日どのマイクプリを導入するのかを考えていました。
考えすぎてオーバーヒートしてしまったようです。

人間は1日に判断できることが決まっていて、その数を超えると判断疲れが出てしまうそうです。
無駄な判断を避けるためにスティーブ・ジョブスやザッカーバーグは常に同じ服を着ているそうです。
毎日同じ朝ごはんにしている人もそういった効果があるのかなあ。
ここぞという決断をすべき時のために、良いルーティーンを作って毎日の瑣末な判断を減らしたいですね。

この程度の買い物の判断でへろへろになっているようではまだまだだなあ。

Do Think Twice

相変わらずレコーディング環境を整えるためにマイクプリアンプのことを考えています。

先日、渋谷のロックオンにお目当ての機材を見に行ったのですが、ちょっと気になるところもあり、 他の製品を試させもらい、一旦検討するということでその日は購入せずに家に帰りました。

これまでは決断したら即行動する。迷わない。ということを念頭において行動していたのですが、 最近は即決せずに検討することができるようになりました。
これは音楽を製作する中でできるようになった気がします。

自分のスタジオでするレコーディング、いわゆる宅録ではスタジオの時間制限や掛かるコストなどを気にせず、 試したいことは何度も試せます。そして何度も聞きなおすことができる。
そのおかげで当日のOKテイクも、後日聞きなおすとスムースに曲が流れていない部分が見つかったり、ハーモニーに不協和を見つけることがあります。

小説家の推敲のように、何度も何度も同じところを直していくと、最終的によどみのない流れを作ることができます。
そういった作業をしたおかげで、一度立ち止まって考える癖がついてきたように思えます。

マイケル・ジャクソンもビリー・ジーンで「So take my strong advice, just remember to always think twice.Do Think Twince!」(僕の強いアドバイスを聞いてくれ。いつも2度考えることを思い出して。2度考えるんだ!)とシャウトしています。

しかし考える癖がついたおかげで行動はどんどん遅く、重くなっていく気がします。
今回も考えすぎて、頭が痛くなってきました。バランスが大事だなあ。

音楽づくしの1日

昨日は朝からひたすら録音で、夜はそれを編集と推敲、そして必要な機材について考える。
音楽づくしの1日でした。
こういった日々が続くといいなあ!

(以下、専門用語がたくさん出てきますので注意。書いてあることを要約すると、「プロのエンジニアってスゲー。僕もプロの機材を揃えないと!」という内容です。)

まず朝からレコーディング。
メインメロディを出葉広貴くんに録ってもらった後、 サイドのウクレレパートを再度録音しました。

下書きが形になってきたので、 打ち込みで作っていたパーカッションパートを 実際に叩いて録音。
(マイクはShureのSM57を使って、 マイキングの資料を参考に音を狙います。
マイクプリはオーディオインターフェースに内蔵されているものを使います。)

録音したトラックの音を良くしていくのですが、 (DAW上でコンプとEQを掛ける。) 打ち込みの音源の音の綺麗さと音圧にはかないません。
やはりエンジニアがスタジオでプロ仕様のマイクと機材で録って、 適切な処理を施した音源のクオリティは相当に高いです。

しかし手で叩いた時に現れる柔らかさや人間味のあるグルーヴは 出したい。
生音を録音するためにはプロ仕様の機材(マイク、マイクプリ、コンプレッサー)が必須です。
レコーディング環境もさらに整えたいということもあり、 アナログアウトボードのマイクプリ、コンプレッサー、EQを内蔵しているAVALON DESIGN ( アバロンデザイン ) / VT737SPを購入を検討しています。
(何それって方に超簡単に説明すると音をより良くする機械です。こんな簡単な説明だと大事なところをはしょり過ぎて、意味不明になってしまいますが。)
しかし30万近くする機材。音をよくするためとはいえ、うーん。考えてしまいます。

今回のブログは専門用語ばかりだなあ。
しかも括弧が多い。専門分野の話をわかりやすく書ける人になりたいですね。

ギターエディット中

ギターの生徒さんの高木くんのギターレコーディングを手伝っています。
曲はスティーヴィー・ワンダーのPart Time Lover。ようやく伴奏のトラックが録り終わり、そのトラックのエディットを始めました。
エディットではタイムの誤差を直したり、発音をよくしたりします。

レコーディングやエディットをやるにあたって、ドナルド・フェイゲンのナイトフライという名盤を解説した「ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法」(冨田恵一)を再読しています。
ドナルド・フェイゲンがどれだけその作品群を作る時に時間と熱意をかけたかを、MISIAのEverythingなどのプロデュースを担当した冨田恵一さんが丁寧に解説されています。

生音にこだわるプレイヤーの中には編集を悪とする人々もいますが、 僕は音が良くなるならばどうエディットをしてもOKだと思っています。
やはり音源から聞こえる音が全てですので、そのための労力は惜しみたくないですね。

もちろん楽器の腕やレコーディング環境など、録りの部分はエディットよりも大事です。
元のデータが良くないとどうエディットしても高いレベルを超えてきません。

どの部分を取っても手を抜かないことで、名盤と呼ばれるものは出来上がっているんですね。
「ナイトフライ」を聞いていると、強くそう思います。
いつかあれくらい行き届いたものが作れるようになりたいなあ。

星と嵐

「神々の山嶺」を読んだこと、ウクレレの生徒さんから山登りを始めた話を聞いたこと、知り合いのバーの店長が今現在、東京都最高峰、雲取山に登っていること。そういったことが数日中に重なって、すっかり山に興味が出てしまいました。(そういえば僕らの音楽スタジオの隣のカフェのオーナーは元山岳部。ガチガチの山男山女でよく山の話を聞いてたなあ。)
しかし生粋のインドア派である僕はそこで山に登ろう、とはならず、山の話を読もう!となります。

そこでガストン・レビュファの「星と嵐」を購入しました。この本はアルプスの最も有名な「6つの北壁」を登攀したガストン・レビュファの山岳紀行です。(代官山蔦屋書店の旅のおすすめコーナーにあって偶然手に取りました。)
僕は山の知識がほぼ全くないので、出てくるワードがさっぱりわかりません。例えばこんな文。
  氷のバンドをトラヴァースし、ザイルの三ピッチで『75メートルの凹状岸壁(ディエードル)』に達した。
さっぱりわからないのですが、話を追っていくと不思議なものでなんとなくわかるようになってきます。

僕が特に気になったワードで、ビヴァークという言葉があります。
「星と嵐」の前書きにも、
ヒマラヤでのキャンプ・ファイア、谷間や氷河でのキャンプ、アルプスの山小屋の夕べと宿り、山での夜こそは、アルピニストの生涯でも最も美しい思い出だろう。なかんづく星空をあおいでの山上のビヴァークこそ、いつまでも思い出に残るすばらしいものだ。
と書いています。

ビヴァークという言葉をイメージすると、大地に寝っ転がって、満天の星空を見ながら眠るイメージが浮かびます。なんでこんなイメージがわくのだろう、と考えてみると、昔オーストラリアのウルルー(エアーズロック)に行った時の記憶なんですね。
ウルルーに立ち寄る前の晩、僕らは近くのキャンプ場で一晩をあかしました。バス観光で一人旅だったので、同じツアーの若いバックパッカーたちと自然と仲良くなりました。その夜はテントの中でみんなと一緒に話をしたり、トランプをしたり。その時ツアーの添乗員がやってきて、「すごく綺麗な星空だし暖かいから、外に出なよ。」と言ってきました。
そこで我々が外に出ると、目の前で星を掴めるくらいの圧倒的な星空。そこかしこで流れ星。僕らの周りにある明かりはランタンくらいのものなので、星の明るさが目に眩しいくらい。そこで寝袋を取り出して、満天の星空を眺めながら眠りにつきました。

星空をあおいでの山上のビヴァーク、なんてワードを見ると、ついそのメージが湧いてしまい、夜空に包まれているような暖かい気持ちになれます。

なんて文章を書きながら、ビヴェークをGoogle検索してみると、ビヴァークとは緊急的に野営をすることで、テントを張るスペースがない場合などに着の身着のまま寝ることのそうです。
画像検索するとさらにヘヴィーな状況下でのビヴァークをたくさん見ることができます。
うーん、だいぶイメージと違ったなあ。

谷口ジロー

漫画家、谷口ジローさんが死去されました。
山登りが趣味の先輩から、夢枕獏原作、谷口ジロー作画の「神々の山嶺」を借りて、 読んでた最中だったので、驚いています。

谷口ジローさんは「『坊っちゃん』の時代」や「孤独のグルメ」の作画でも有名な方で、 僕は一時期前にベルギー・フランスの漫画の総称を指すバンド・デシネが再評価されていた時に、 代表的な作家メビウスを知り、「アキラ」の大友克行経由で谷口ジローを知りました。

僕も学生時代は漫画家になりたくて、 いろいろ描いたり、応募したりしたものの、箸にも棒にもかかりませんでした。
そんな少ない漫画を描くという経験の中でも何度か壁にぶつかったことがあります。
例えば、石をどう描くか、という問題。
石を描くときに、この石の組成はなんなんだろう、この場所にあるべき石はなんだろう。そしてその石をどうやったら描けるのか。
漫画を描くには世界のすべてのことを知っていなければならないのではないか、と途方にくれたことがあります。
一つのものを書くのにリアリティを出す、 というのには圧倒的な情報量とバックボーン、そして美術の腕が必要ですね。

谷口ジローさんの精緻な絵はしっかりその組成を把握しているような、 リアリティがあり、漫画の腕は最高峰です。
おそらく「この漫画に描かれている建物の様式は何ですか?その建築材は?」
という質問にも答えられるんじゃないか、と思うようなリアリティです。
(そしておそらく答えられるんでしょう。)

僕もそういった高いレベルの仕事ができるようになりたいなあ。

口あいてください

最近歯医者に通っていて、 そこで「口あいてくださいー。」と歯科衛生士や助手に言われます。
開けゴマ!みたいな感じで口に頼んでいるその姿が、 何だか可笑しくて笑っちゃうんですが、Webで調べたところ、 どこの歯医者もそう言うみたいですね。
おそらく正しい日本語なんでしょう。

かくいう僕は間違えて覚えていることがたくさんあって、 例えば食指(しょくし)が動く、を耳で覚えてしまったせいか、 触手(しょくしゅ)が動く、と間違えてしまいます。

その言葉を文面で読むとき、人がいうときに、 必ずうねうねした触手が寿司をつかむ謎の映像が浮かんでしまいます。
なぜそんなイメージになってしまったのか、 そんな映像を見たことがあるのか。
全くわからないけど、その映像が頭から離れません。

生活しているとそういった誤用や誤解をすぐに直してしまいがちですが、 そういった誤用、誤解が許される世界の方が なんだか居心地が良さそうですね。

そんなわけで今日も触手が寿司を数貫つかみ続けます。
うねうね。

丁寧にやろう

リゾートミュージックの企画ためのレコーディングのため、プリプロダクション作りの1日でした。
ドラムトラックとベースを入れて、伴奏、メインメロディ、オブリを入れていく。
ある程度ノウハウもできてきたし、キーもテンポも決まっていたので、1曲まるまるフルサイズの形にするのにそんなに時間がかかりません。

完成して頭から聞いてみると確かに「良い」です。
確かに音楽として成り立っているし、こういった音源もよく街で耳にします。
でも「すごく良い」ではない。

なんだか核となるものが見えてこない。
音楽的芯や土台のようなものがグラグラしている感じ。
この心もとない土台の上に積み重ねていいものかどうか。
こういう時はすごく悩んでしまいますが、悩んでも仕方がないので、音楽仲間に相談。

彼は、このまま各トラックの質をゆっくり丁寧に上げていけば大丈夫じゃないの?と言ってくれました。
僕は半信半疑ながらも、まあやってみるか、と思い、仮に録音したベーストラックをリズムとフレーズともに直していきます。
その後は気になってきた曲の構成の入れ替えと、メロディのリズム直し。
ついでにストリングスのバイオリンパートを打ち込み。
最終的には再レコーディングする予定のパートを一つ一つ本番と同じ精度で演奏していきます。

そうすると楽器の編成もアイデアもほぼ変わってはいないのに、 芯のようなものがうっすら出てきました。
これならいけそうかも。

何か仕事をしている時には不安が必ず付きまといます。
本当にこれでいいのかなあ?無駄なことを積み重ねているんじゃないだろうか?
でも、しっかり丁寧にやることでその不安は少しづつ取り払われているような気がしますね。
音楽作りに芯や土台なんてものはもともとそこにはなく、 ただ丁寧の積み重ねの中に生まれてくるものなのかなあ。

島人ぬ宝

昨日は次回のウクレレクリニックの課題曲をウクレレプレイヤー・ギタリストの出葉広貴くんと相談して、 「島人ぬ宝」に決定しました。
今回は出葉くんにメイン講師をやってもらうので、なるべく簡単で教えやすそうな曲ということでの選曲。 曲を決めたら早速、演奏映像を撮影しました。

動画をYouTubeやInstagramにアップすると懐かしい人からの「この曲懐かしいねえ。」とコメントが。
10数年前にワーホリでオーストラリアの語学学校に通っていた時期に出会った人からでした。
今はスイスで結婚して一児の主婦になっています。

そういえば、と思い出しましたが、 僕が人前で演奏したのは「島人ぬ宝」が初めてでした。
語学学校では毎週金曜日に新しい生徒が世界各国から入学してくると同時に卒業していく生徒もいます。
その卒業式のパーティーの際に演奏したのが「島人ぬ宝」でした。
緊張しながらギターを弾いていたのを覚えていますね。
一緒に演奏した仲間は今はミュージシャンや飲食のオーナー、 世界を回るバックパッカーなど多種多様にわたって活躍しています。
あの学校、まだあるのかなあ。

僕もいろんなことがあって音楽やることに(今のところは)なったけど、 この曲からがスタートだったのかもしれないですね。

2017年6月11日(日)初心者向けウクレレクリニックat東京南荻窪"Acousphere Cafe"

Acousphere Guitar School presents ウクレレクリニック@Cafe

きたる2017年6月11日(日)に東京南荻窪のカフェ"Acousphere Cafe"を会場に初心者向けウクレレクリニックを開催します!

今回はマイケル・ジャクソンのBlack or Whiteを題材に初心者の方向けに、ウクレレの基礎からお教えしていきます。

ウクレレを買ったけれども練習方法がわからないという方から中級者の方まで基礎から丁寧にレクチャーしていきます。この機会にぜひウクレレを始めてみませんか?

日時 2017年6月11日(日)
場所 東京南荻窪「Acousphere Cafe」
開演 15:50オープン 16:00スタート (Acousphere Cafeは15時からクリニックの準備のため一旦閉まります。)
料金 2000円
人数 定員15名
講師 出葉広貴 麻生洋平

申込
yoheichitarra@gmail.comまで、「お名前」と「予約人数」を記載の上メールを送信ください!
件名に「2017年6月11日(日)ウクレレクリニック@Cafe参加希望」とご明記願います。 ウクレレをまだお持ちでない方で貸し出しを希望の方はその旨もご記載ください。 (台数には限りがございます)

(ウクレレクリニックの参加をメールでお送りいただいた方で、 返信が確認出来ない方はメールが届いていない可能性があります。その場合は再度お問い合わせ願います。)


こちらは以前のウクレレクリニックの写真です。
Acousphere Guitar Schoolではロックやポップス, ジャズやボサノヴァの曲を題材に伴奏やメロディープレイ、ソロウクレレなどを習うことができます。 初心者の方にも弾けるような簡単なアレンジを用意したマンツーマンレッスンですので、こちらもぜひ参加してみてくださいね!

ニセモノとホンモノ

リゾートミュージックを作ろう、という企画を立てて、 ギタープレイヤーの出葉広貴くんと、あーだ、こーだとスタジオでレコーディングしながら試行錯誤。

まずはリゾートミュージックの雰囲気をつかもう、ということでNick DecaroのUnder the Jamaican moonを お手本にコピーしながら、ゆるいグルーヴをどう表現するかを考えていきます。
Under the Jamaican moonには作曲者のStephen Bishopのバージョンもあるのですが、 こちらはボサノヴァギターのパターンがしっかりしておりカッチリ目の演奏です。
僕の目指すところはNick DeCaroバージョンのグルーヴ感なのですが、よくよく聞くとこのバージョンには カッチリしたコード奏者がいません。
ギターのDavid T. Walkerはオブリガード的演奏で、 コードを表現しているのは低音のベースとストリングスです。
ストリングスは白玉の多い演奏ですので、コード楽器があまりリズムを表現していないことになります。

ベースとドラムはボサノヴァ風パターンを演奏していますが、 上でなっているギターはソウルやブルース、R&B的、ボーカルはソフトロック的、とかなりのミクスチャー。
そういった様々な人の音楽的素養やスタイルが混ざって、異国感たっぷりの演奏になっているんですね。
言い方を変えると、ジャマイカンでもブラジリアンでもない、 ホンモノではないニセモノの音楽。
でもそういったニセモノ感が「ここではない異国感」を表現してくれて、えもいわれぬ心地よいグルーヴを感じさせてくれます。
こういった音楽を聴くと、ニセモノでもいいんだよな、と思わされます。
最終的にNick DeCaroはAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)の開祖とされ、AORのホンモノになりました。
やっている本人たちはニセモノもホンモノも関係ないのかもしれませんね。

「ここではない異国感」、「束の間の休日感」をコンセプトにしてできるところまでやってみよう。

大村憲司のギターが聞こえる

大村憲司のギターが聞こえる、という本を購入しました。
大村憲司とはギタリストでYMOや大貫妙子、矢野顕子、山下達郎など多くのアーティストの音源でギターを弾いていた日本のファーストコールのスタジオミュージシャンであり、自分自身でもCDを出していた職人気質なアーティストです。

その本の中には来歴や他のアーティストが語る伝説などが書かれているのですが、 ひときわ目を引いたのは自分でギターを調整するための道具やパーツが綺麗にパックに小分けにされ、 ツールボックスや空き箱に収納されている写真でした。

大村憲司さんは自分のギターや機材は演奏前に自分で必ずチェックしていたそうで、 そのリペアもかなりレベルの高いところまでできたそうです。
明るい冗談もいう方だったそうですが、演奏の写真からは神経質そうなところも伺え、 立ち姿はまさに理想のギタリスト像ですね。

僕はセッティングなどのスキルが高くないので、そういうことができる人はすごいなあ、僕もしっかり覚えたいなあ、と思っていました。
思いたったが吉日。早速今持っているセッティング用のツール類を纏めるためのツールボックスを購入して、ツール類を整理して、自分のギターの調整をしました。そうしていたらその日の昼にスタジオの隣のアコカフェにギタリスト・ウクレレプレイヤーのそどみらの木本さんが来店されたので、ウクレレ&ギタートーク。
話は楽器の調整の話題に。
弦高のセッティングやピックアップの管理にすごく詳しい方だったので、勉強になりました。

ツールボックスを買って、まさに楽器の調整に興味を持ち始めたその日に、その話ができるなんて良い偶然だなあ、と思ってたところ、知り合いからギターの調子がおかしいので、調べてくれないか、というメール。そのツールボックスを持ってギターの修理へ。
なんとか解決したのですが、こういう風に今興味のあることが数珠つなぎにつながっていく偶然というのは不思議ですね。

そういう「風が吹けば桶屋が儲かる」方式に数珠がつながって今、現在というところに立っているんですかね。
それともただただ偶然に、何の論理性もなくこの場所に立っているのかなあ。

こつこつ

土日は祝日ということもあり、ウクレレ&ギターレッスンが多く、 たくさんの生徒さんたちを相手にいろんな課題に取り組んでいます。

たくさんの生徒さんの中には教えればすぐに吸収する真綿のような生徒さんもいれば、 不器用を絵に描いて額に飾ったような生徒さんもいます。

昨日はどちらかというと不器用側に属する生徒さんが多くいらっしゃったのですが、 不器用な生徒さんは1曲にかけるレッスン数、トータル時間が長く、 もう半年から、人によっては1年以上も同じ曲に取り組んでいます。

毎週同じ箇所を何度も何度も教えていると、生徒さんも僕もめげてきます。 何度も同じところをやるので、永遠に続くデジャブのように感じる時もありました。

でも1歩下がっては、2歩進むようにこつこつと続けていると、 いつかはできるようになるんですね。
昨日のレッスンではそういった達成の瞬間に多く立ち会えて、嬉しかったですね。
みんなその時は大きく手応えを感じるようで、 きっと登山の頂上に登頂した人はこんな笑顔になるんだろうなあ。

ギター作りにかけては随一、と呼ばれる高名なギタービルダーの方の話で、 その人は人一倍不器用で、ピックアップの配線やハンダ付けなどは目も当てられないぐらいだったそうです。
ギターショップの店長さんが見ていて、これ商品になるんかいな?、と不安になるくらい。
でも最終的に作るものは、どんな器用な人が作ったものよりも丁寧で良い仕事になっているそうです。
どんな器用な人も、こつこつやる不器用な人にはかなわない。
そういったことを生徒さんから学べました。
こつこつ。

2017年のゲームキッズ

まさか2017年にファミコンでハイスコア争いをすることになるとは思わなかった。

ファミコン、というのは昭和世代のお母さん方がゲームの総称を指して言う「ファミコン」ではありません。
任天堂が1983年に発売した家庭用ゲーム機の初代ファミリーコンピューターのことです。
あのえんじと白の可愛いボディ。

近所にあるゲームバーでファミコンを懐かしさのあまりやるようになったのが1年くらい前。
そこで毎月1本オールドゲームを選んで、そのゲームのハイスコア争いが開催されていました。
ハイスコアとはそのゲームで1番高い点数を取ることです。

なんとなしにやっていくうちに僕もハイスコア争いに参加していました。
そこで毎月ハイスコア表に載っている名前を覚えていくわけですが、 必ず名前が挙がっている人がいて、まだ会ったことはないけど噂の「ゲームマスター」 と仲間内で呼び合っていました。
僕らはゲームオーバーになるたびに、「ゲームマスター」が叩き出した、超えられないハイスコアたちを畏敬の念で眺めていました。

ついに本人に会った時は、ちょっとアイドルに会った時のように緊張しました。
あとあと話を聞くと、その人は僕も知っているアニメの監督さんでしたが、 そんなこと関係なくゲームの上手い兄ちゃん、ということで尊敬できます。
この感覚は小学生時代の近所の裏技を知っている兄ちゃんを憧れの目で見る、 あの感覚に似ています。

その後、「ゲームマスター」の牙城は崩れ、 製薬関係のSさんとリペアマンのTさんの2強時代がやってきています。
もう僕はハイスコア争いから遠く離れ、 強くなりすぎた人々のゲームプレイをはるか後陣から眺めるばかり。

インターネットですぐに情報を調べられる2017年に、 噂だけで聞く人に会ったり、口コミで攻略法を教えあったり、 こいったアナログ感覚は懐かしく楽しいものでもありますね。

ピザスタンドPOCO2周年記念!

近所のピザスタンドPOCOというお店の2周年記念パーティーにお邪魔してきました!
2周年記念ということで、演奏者が入ってのパーティーだったのですが、 演奏される方が先にInstagramやYouTubeで知り合っていた方々だったので、 楽しくお話しすることができました。
狭い店内にお客さんたちもぎゅうぎゅうで、 中には見知った顔の方もたくさん。

お店が始まって2年、毎日同じ時間に店を開け、毎日しっかり美味しい料理を出す。
そうするとこんなに賛同してくれる人があらわれるんだなあ、と感慨深くなりました。

「やりたいこと」をしぶとく、ずっとやり続ける。
そうすると同じような考えを持った面白い人たちがどんどんあらわれてくる。
毎日の積み重ねが形になっていく。

逆に言えば今の自分は昨日の積み重ねでできているわけで、 未来の自分は今日の積み重ねでできていくわけですね。
さて僕はいま何を毎日やっているのだろうか。

庭を綺麗にできる人

レコーディング本番のカッティングをどのギターで演奏するか悩み、 いろいろ試した結果、 僕が持っているギターの中で一番ハイスペックで信頼の高い Gibson L5を使うことにしました。

しかしながら1年近く眠っていたギター。
そこかしこに汚れ、痛みが。
これはいかん、と思い綺麗にしていくと、 普段見えていなかったところに発生している不具合に気付いてきます。

ある場所のワッシャーがなかったり、バネが動かなかったり、 外見には見えない箇所に故障がたくさん出ています。
毎日チェックしていれば、こんなことにはならなかったんだろうなあ、 と少し後悔。
こういったことがあると毎日のケアの重要性に気付かされます。

昔、アコカフェの前店主がお客さんに、
「いやあ、私なんてものぐさで何もしないですからねえ。」
と謙遜すると、お客さんがカフェの庭を指差しながら、
「こんなに庭を綺麗にしておける人が、ものぐさなわけないですよ。」
と笑った、という話を聞いたことがあります。

植物は自分で水を汲みにいけないので、 毎日の水遣りが必要ですし、雑草だって抜かないといけません。
そういった毎日の地道なケアが必要なので、 綺麗なお庭の家を見ると、それだけで立派な人が住んでいるんだろうなあ、 と想像してしまいます。
そんな植物を育てられる人は尊敬しますね。

そういった人に憧れつつも、「忙しい」を言い訳になかなかそうはいかない日々。
「忙しい」っていうのは、あまり良い言葉ではないですね。
せめて毎日庭掃除ぐらいはしよう。

人の顔が見える仕事

ある友人が地元にカフェを開くので、 そこでかかっていると良いなあ、と思う楽曲の制作を、 今作っているオリジナルの音楽と並行して、スタートしています。
海辺のカフェで流れるゆるいグルーヴのリゾートミュージックをテーマに、 4曲ぐらいのEPが作れるといいなあ。

世の中には音楽を作れば、何百万人に届く大スターもいます。
しかし僕はそれよりも街の定食屋さんのような音楽、 食べてくれる人の顔が見える仕事をしたいですね。

街の定食屋さんの顔なじみになっていると、 どうも今日は調子悪そうだな、 油を控えめにしようかな、 などと気を使ってくれたりします。

そんなたった一人のひとに向けて作るような 定食のようなシンプルな音楽。

もしかしたら世の中のものすごく売れている音楽も そういった個人的なものの方が多いのかもしれないですね。

うーん、完成が楽しみ。

もう2月!

気づいたら、もう2月がやってきました。

2017年始まって1月中はずっと、 去年から続いているオリジナルのレコーディングしていました。
一旦レコーディングに着手すると、 すっかり時間を忘れてブログの更新などもおろそかになっています。
これはいかんなあ、と思い久しぶりに更新。

僕は制作に入ると、ついつい他のことがおろそかになってしまいます。
サンドウィッチを食べながら打ち込みしたりしていると、 ポロポロとテーブルにこぼれてしまい、 それに気づかないこともしばしば。
メールの返信、掃除などの一般的な雑務も滞ってしまいます。
制作に入るとそれに付きっ切りになり自分勝手になってしまいますね。

世の中には忙しい仕事をこなしながら、
「最近調子どうだい?」
なんて、特に用もないのに連絡してくる、人をケアすることのできるスーパーマンのような人もいます。
いつも笑顔で他人を気遣い、仕事はバリバリこなす。
そういった人のおかげで、 僕のような自分勝手な人間は、 生きられているのだなあ、と思うと有難いですね。

ブログ更新していないけど大丈夫ですか?
と気遣ってくれる、皆さんのおかげで今日も生きています。

生存報告ということで、ブログの更新はもうちょっと頻度を上げようかな。

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