ギターの演奏において、音をしっかり出すために必要なことは弦に適切な振動を与えることです。それはどのジャンルの音楽を演奏する際にも基本となるコンセプトですが、ジャンルによってギターの演奏方法が異なるため何を基本として教えるのが難しいです。クラシックではアポヤンドとアルアイレ、ロックではピック弾き、フォーク、カントリーでは2,3フィンガーなど奏法は多岐に渡ります。
その中で音をしっかり出すということを主眼において練習するのはフォークやカントリーが良いのではないか、と最近レッスンをする中で思っています。
フォークやカントリーの演奏では弦を弾く前に、まず弦に触れます。弦に触れて、そして押し込んで弾く。この2つの手順を踏むことによりファンキーなリズムは出しにくくなるのですが、弦に適切なテンションをかけ、それをリリースすることにより、少ない動きで大きな振動を弦に与えることができます。
大切なことは弦をはじくのではなく、弦に触れ、押し込みながら、弦の反発する力を感じつつ、リリースしてあげることです。大きな音を出したい時、つい指の動きを大きくしてしまいがちですが、それでは弦にしっかり力が伝わりません。大きな動きの指ではパワーありますが、弦に触れる時に相当のエネルギーがロスしてしまいます。
弦を押し込むフォークの奏法では小さな動きで大きな力を弦に伝わせることができます。綺麗な振動が弦に伝われば、ギターは綺麗な音で鳴ってくれます。良い音とは良い振動で弦を震わせる事なんですね。
弦のテンションを右手で感じることができ、正しい振動を弦に与えることができれば、良い音をコントロールできるようになりますので、ぜひ弦への振動を念頭に置いてギターを演奏してみてください!