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ナチュラル•マイナーのダイアトニックコードとその機能

先日レッスンにて井上陽水の『傘がない』でアドリブをしたいという生徒さんがいて、ナチュラル•マイナーのダイアトニックコードの機能を説明しました。しかし説明しながら自分自身マイナーキーのアドリブの際、平行長調のメジャーキーで捉えていたことに気付いてしまいました。マイナーキーだけでアナライズできるようにならないとなあ、ということで復習したいと思います。

まずはマイナースケールですが、メジャースケールの6番目の音から音階を並べるとナチュラルマイナースケールができます。スケールはRoot,2,♭3,4,5,♭6,♭7の順に並んでいます。
それらを3度重ねてコードを作ると、
lm7,llm7(♭5),♭lllMaj7,lVm7,Vm7,♭VIMaj7,♭Vll7のダイアトニックコードができます。
メジャーダイアトニックとコードは同じですが、センターとなる音が変わったため、コードの機能も変化してきます。

コードの機能一覧はこちらです。

Tonic Im7
Sub Tonic ♭lllMaj7

lm7はルートから作られるコードで一番安定しておりトニックになります。♭lllMaj7の構成音はIm7(9)のルート抜きと同じになる(構成オ音がほぼ同じ)ので、トニック代理とみなします。

Sub Dominant IVm7
SD sub llm7(♭5),♭VlMaj7,♭Vll7

コード上にスケールの6番目の音(トニックやドミナントの機能を壊してしまう音)が入っているコードはサブドミナントとみなします。

Dominant (Vm7)
スケール上5つ目のコードは通常ドミナントとみなされますが、ナチュラルマイナースケール上に出来るVm7はトライトーンを持っておらず、Im7に動きたくなる強さやIm7に動いた時の解決感がありません。そこで無理やりVm7をV7にすることで、解決感を作り出したスケールが2つ目のマイナースケール『ハーモニックマイナースケール』です。

またサブドミナント代理の♭VlMaj7は、Im7の構成音に近いのでトニック代理とも考えられます。

これらの知識を持って、マイナーキーの曲をアナライズしたり演奏したりするとマイナーの世界観に慣れてくると思います。またマイナーにはナチュラルマイナーの他に前述したハーモニックマイナー、メロディックマイナーなどの他の世界もあるので、色々と掘り下げて行くのも楽しいですね。

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