ギターはレコーディングする順番からいっても、ドラムやベースのリズム隊から先に曲の根幹のグルーヴを作った後になるので、どうしても上物としての役割が強く、リズムに対しての意識が弱くなってしまいます。
僕もレコーディングでメロディを演奏するときに自分一人だけでグルーヴを作れず、バックトラックに乗せて演奏してしまいます。フルバンドであれば気にならないかもしれませんが、Duoやsoloなどで自分からリズムの要素を作り出さなければいけないときにはリズムに対する意識の低さが顕著にあらわれてしまいます。
そういった弱点を克服するために最近はベース、ドラムのやっている事を良く見て実際に自分でも演奏して研究しているのですが、一つにはリズムに対する体の動かし方があるのではないでしょうか。
下記の動画はStingのAll The TimeというライブDVDに収録されたEvery Breath You Takeですが、それぞれの体の動かし方に注目して見てください。こちらのDVDはリハーサル等も収録されており、それぞれがリーダーをはる一流ミュージシャンが一同に会していろいろな話も聞けるのでかなりおすすめです。
まずVocal兼BassのStingは皆の倍のテンポで体を動かしています。肩の揺れを見ると分かりやすいですね。ベーシストに顕著なのですが、細かくリズムを取っています。その細かいリズムの感じ方のおかげでゴーストノートや休符などを感じ、音の始点と終点をちゃんと作り出しているんですね。
対してもう一人のベーシストChristian Mcbrideは各拍子の頭をすべて下方向に体を動かしながら演奏しています。ロックの固いリズムを感じながら演奏しているようで、どっしりしたベースの音が聞こえてきます。
ドラマーのManu Katcheは顔を左右に振りながら演奏しています。パワフルな音で力強く出しながら、なおかつ柔らかいグルーヴを叩くManuはこの曲のグルーヴを支配していますね。こんな風にドラムが叩けたら素敵ですよね。
ギターのDominic Millerはいかにもギタリストといった感じで、上物に徹し、体ではリズムを感じずに左足で地面を踏んでカウントを取っています。
このように同じ曲を演奏してもそれぞれリズムの取り方が違います。自分でリズムトレーニングをする際にも、楽器を演奏するのではなく、まずは楽器を置いて体を動かしてグルーヴを感じてみるほうが良いかもしれません。
またベースやドラム等を演奏する事がグルーヴを理解する一番の近道だと思います。僕もRolandのドラムを叩いてトレーニングしてますので、是非トライしてみてください!
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