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最近ボサノヴァが気になっています。

最近ボサノヴァが気になっています。

アコカフェにブラジリアン系のミュージシャンが集まることが多くなり、音楽話をしているときにもボサノヴァが話題の中心になることが多いからかでしょうか。
僕はその道の専門ではないので、ふと疑問が浮かんだのですが、ボサノヴァはギターミュージックなのか、それともその他の楽器から産まれた音楽なのでしょうか。
ボサノヴァのイメージはギター弾き語りですが、ボサノヴァの有名な作曲者のジョビンはピアニストだし、なんだか曖昧です。

また最近は体系的に音楽を学びたい欲求も強くなってきたので、文献をあたりながら曖昧だったボサノヴァの歴史を学び直しています。

これまではアントニオ•カルロス•ジョビンを中心に据え、ボサノヴァが産まれ、発展してきたものだと思っていましたが、Bossa Novaという本を買って読んでいると、もう一人の人物、ジョアン•ジルベルトの存在が大きく、ボサノヴァムーブメントの中心人物として語られています。

この本ではジョアン•ジルベルトのギターの奏法としてブラジリアンサウンドからの引用を用いています。「(ジョアンのスタイルは)サンバの基本的要素をちょうど良いワインをデカンタに移すようにギターに移し替え、リズムをわかりやすくして外国人の口にも合うようにしたのだと言える。(中略)彼はギターと歌声だけで、何も失わずサンバのすべてのリズムを表現した。」

ジョアン•ジルベルト自身がボサノヴァを演奏しているというよりはサンバ•カンサォン(ラジオ時代のサンバ)を演奏していると思っていた節もあり、実はボサノヴァの誕生は音楽革命というよりはギターの奏法の革命だったのではないかと思ってしまいます。一人で伴奏の全てを担うスタイルはTuck Andressの提唱するワンマンリズムセクションと同じ考え方ですね。

ジョアンのギター奏法と歌を聴いたギタリスト、メネスカルはあまりに驚いてその後徹夜で2日間ジョアンを連れ回して仲間に聞かせて回ったという逸話も残っているくらい、革新的なギター奏法だったのでしょう。

そういう話を聞くとやはりボサノヴァはギターミュージックなんだなあ、と思ってしまいます。

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