「僕にとってのバッハの平均律みたいなものなんだ。飽きるということがない。常に新しい発見がある。」
気になってはいたもののハードカバー発売の際には流行の波に乗れず仕舞いで、そのまま購入予定のリストにしまっておいた村上春樹の1Q84が文庫化されたのでこっそり購入しました。ちょっと読んだところでバッハの平均律の話が比喩で出てきたので、久しぶりにYouTubeで視聴。
うーん、やっぱり良いですね。理路整然とした音世界が作られて、今聴くともの凄くポップ、そしてコーダルに聞こえます。Be-Bopに通ずるものを感じますね。音楽的には現在最もポピュラーな調律、12等分平均律(ピアノの鍵盤の音列)を使って書かれた曲集です。(それ以前は純正律など)ですが発表当時は実際には平均律で演奏された訳ではないそうです。ここらへんはややこしいので専門書をご覧ください。
上の動画のプレリュードはアヴェ・マリアの伴奏にも使われています。この曲を聴いてみると「正しい平均律の使い方」というか、「平均律の説明書」みたいな構造になっているのですが、その「説明書」が歴史に名を残す「名著」になっているという奇跡がここでは起こっていますね。ぜひとも携帯や家電についてくる分厚いだけの説明書も見習ってほしいところです。