ライブでのモニターの音量の調整は難しく、毎回考えさせられます。自分の演奏がモニタースピーカーを通して、どんな音で聞こえて来るかによって、演奏の際の力の使い方、ピッキングも変わってきます。
今回のライブではモニタースピーカーを前方から返すのではなく、背後から返すスタイルで演奏しました。これは90年代後半、バークリーのBPCでパコ•デ•ルシアがとっていた方法です。
ギターとモニターとの間に自分の体を差し込むことにより、音を遮断し、ハウリングを防止する方法でしょう。耳の後ろから聞こえるのでモニターし辛いのかと思いましたが、そんなことはなく、ハウリングの防止には劇的な効果を発揮していたように思います。
モニターの音量の設定では、小さい音は小さな音で、大きい音は耳に痛くならない音で、というのがスタンダードな設定(外音での設定もそうですね)ですが、今回は小さい音に焦点を当て、Maxの力でピッキングすると音が痛く大きすぎるように聞こえるような設定にしました。
そのおかげでノーマルのピッキングがかなり軽いピッキングになり、軽く弾いてもしっかり伝わる音が出るようになり、早く弾くところなどはかなり脱力して演奏できるようになりました。軽く弾くことによりピッキングノイズも減るのは良いところですね。
しかし、しっかり右手の力をコントロールして弾かないと音が暴れてしまうので、演奏中に熱くなってしまうところをぐっと抑えて、全てをアンダーコントロールにしないといけません。本番ではついつい熱くなってしまうところもありますが、今回は総じて冷静にコントロールするようになってきたように思えます。
コントロールするという事は周りの音をしっかり聞く、という事ですので、アンサンブルも以前よりしっかり揃ってきました。
気合の乗った演奏で、でも心の中は冷静でコントロールされた、そんな相反する演奏ができるように精進したいですね。
毎回ライブのたびに新しい発見があり、そのたびに修正して、ゆっくりですが前進できていっている気がします。頑張ろう!