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短編

ライブやイベントなどが立て込んで、その後ぽっかりとスケジュールが開く時があります。
といっても何か制作するには時間がなく、遊びに行くには疲れすぎている。
そんな時はよく本を読むのですが、長編を読む体力も、新刊を読めるほど頭が回っているわけでもないので、昔読んだことのある短編を読みます。

時々無性に読み返したくなる短編というのがあって、先日はそれが村上春樹の木野という短編でした。
どこに置いたかなあ、と本棚を探し回ったのですが、その短編が入っている本が見つからず、結局文庫本を購入するはめになってしまいました。
そのせいで僕はお気に入りの本は数冊同じものを持っています。

カフェで木野を読みながら、なんでこの短編が好きなんだろう、とぼんやりと考えていました。
それは恐らく主人公が1人で生きている、1人で生きることを志向しているからだと思います。
(結局木野の主人公は1人で生きることの罪に追われてしまうのですが)
そういえば音楽もそうですが、そういったことを志向しているアーティストが僕は好きなようです。

かといって現実は1人で生きれるほど優しくはないです。
音楽だって1人でやることは難しい。
ベースやドラム。鍵盤が必要な時だってあります。ライブをやるなら、聞いてくれるお客さんがいないと成り立ちません。
でも1人でも大丈夫。孤独もどんと来い、という最低限のベースがあれば、自分自身が強くなれるし、逆に人の大切さがわかる気もします。

谷川俊太郎さんのエッセイで、これまでは人間は2人が最小単位だと思っていたが、今は1人が最小単位だと思う、という旨のことが書かれていました。(うろ覚えですが)
僕もものすごく同意します。
もう少し1人でもなんとかなるように、強くならないとなあ。

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