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ボーカリストのストーリーテリングについて - 『You've Got a Friend』 James Taylor

最近、ボーカリストのサポートのためジェームス・テイラーのYou've got a friendsをやろうと、コピーをしています!

歌もののギター伴奏をコピーする際には歌も同時に覚えるようにしていますが、最近は歌詞の内容もしっかり見るようにしています。僕は演奏者なのでどちらかというと歌詞というよりはメロディのラインで音楽を捉えていたのですが、歌詞に注目して聴くと今更ながらにその内容に心動かされる事に気付きます。

歌詞の内容、そのストーリの内容によって歌うべきボーカルの声も変わってきます。You've got a friendsはキャロル・キングの作詞作曲ですが、その内容はジェームス・テイラーが歌った時とはまた違った感触になります。この友人を心からケアする優しい楽曲はジェームス・テイラーの優しい声の方がより伝わりやすいのではないか、と思います。


自分の親に虐待を受ける子供の心情を歌ったスザンヌ・ヴェガのLucaは、傷つきやすい少年のようなスザンヌ・ヴェガの声だったからこそ伝わったのであり、例えばブルース・スプリングティーンが筋骨隆々に歌い上げたら、「ブルース、あなたは親に虐待受けるような玉じゃないでしょう。」と全く共感できない歌になったと思います。


専業ボーカリストが減り、シンガーソングライター系のミュージシャンが増えた今は、自分の歌う歌は自分で書く事により等身大の歌が多くなっています。しかし自分の言いたい事を言うだけではなく、自分の声がどういったストーリーテリングに向いているのか、という事に着目して歌詞や曲を作るのも良いかもしれません。僕もサポートする立場として、どういう伴奏がボーカリストのストーリーを邪魔せず、その世界観を倍加させるのかを考えて演奏していきたいですね!

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