とあるコード進行の上で自由自在にアドリブを取る事はギタリストの憧れです。しかしながらアドリブ、インプロビゼーションはかなり楽器や音楽に精通していないと出来ないようなイメージがあります。
巷にあふれるアドリブの教則本を読んでも、アヴェイラブルコードスケールだのコードトーンだのを覚えなければならないようで、とてもじゃないですが簡単に弾けるようになるとは思えません。
たとえば皆知っているドレミファソラシド。このメジャースケールを使ってソロを取ってください、というと大体のプレイヤーがドレミ、ミレド、ドレミファソー、などと音階を行ったり来たりするだけの機械的なソロになってしまいます。
それを避けるためにまずはそれぞれの音がどのような機能をしているのかを精査していきましょう。
まず簡単なコード進行の上でメジャースケールを弾いて、各音のカラーを確かめて行きます。今回はStand By Meのコード進行の上でAメジャースケールを確かめて行きます。
進行は下記
A/A/F#m/F#m/D/E7/A/A
まずはドの音のキャラクターから確かめて行きましょう。何かのフレーズたとえばミレドー、など何個かの音を弾いた後にドに着地してみましょう。コード進行の上でいろいろ弾いて最後にドに戻る事を試して見ましょう。
(Let's Play)
いかがだったでしょうか。ドに戻ると安定感がありメロディが終わった感じがしませんでしたか?ドはフレーズに終了感を与えることを覚えておきましょう。
次はレです。何かのフレーズ、レミファミレー、などと最後の音をレにして弾いてみましょう。
(Let's Play)
いかがでしたでしょうか。すごく浮遊感があってフレーズが終わった感じがしないのではないでしょうか。あるいはレの後にドに戻りたくなったかもしれません。このようにレには浮遊感があり、フレーズが続きそうなイメージがあります。またドに戻りたくなる性質を持っているようですね。
それではその他の音、ミファソラシもひとつずつ上記のように試して見てください。
(Let's Try)
いかがだったでしょうか。終了感のある音、浮遊感のある音と二つに別れたのではないでしょうか。(あるいは別の感覚を得たものもあるかもしていれません)僕の場合はドレミ、は終了感があったのに対し、その他の音は浮遊感があり、半音上、あるいは下に解決したくなりました。しかしこれはあくまで僕の感覚なので違うと思った場合は自分の感覚を信じてください。
上記の作業で音は2つのカテゴリに別れました。それでは今回はその中からド(解決感)とレ(浮遊感)だけを使ってアドリブして見ましょう。
気をつけることは一つです。終了感を出したくない場合はレで音を停滞させ、フレーズを終わらせたい時にはドに戻るという事です。
(Let's Try)
いかがでしょうか?上手くいった方もいれば上手くいかなかった方もいるかもしれません。しかしドとレの2つの音でも十分にかっこ良いアドリブがとれると思います。この浮遊感と終了感、テンションをあたえてリリースする感じがつかめればたった2音でもいろいろなアプローチが取れることができると思います。
このように音数を少なくする事によって、音、つまりノートをコントロールする事ができ、もっと分かりやすいアドリブが取れることがわかりました。
次回はノートと同じぐらい、またはそれ以上に重要なリズミックアイデアについて説明したいと思います!