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イメージを持つこと。

イメージを持つこと。
大事なことですよね。
どの道のプロも結局は頭の中のイメージを外に出す、 という仕事をしていると思います。
そのイメージが形になった時に僕らはそれを絵としてみることができたり、音楽という形で聴くことができたり、スマートフォンという形で触ることができるようになります。

でもまだ形を取っていない、まだ頭から出ていないイメージを人に伝えることは難しいです。特にその道の達人同士の会話を外で聞いてみると、 言っていることが抽象的すぎて訳がわかりません。でも達人どうしはなぜか理解し合っているんですね。

演奏中はどんなことをイメージしているのですかと インタビュアーに聞かれて、 今日は消防車のことを考えている、なんて言っているギタリストもいます。
訳がわかりませんが、きっと理解できる人もいるのだと思います。

野球では長嶋茂雄さんが 一般人にはわからない不思議な名言をたくさん残しています。
僕の好きなエピソードでは、メジャーでバッティングフォームに悩んでいた松井秀喜が、電話で長嶋さんに相談すると、わかったからバットを振ってみろ、と言われ何百回も降り続けたそうです。
そしてある振り方で「それだ、その音だ!」と言われたそうですが、それ以降松井のフォームが改善され、打てるようになりスランプから脱出できたそうです。
言う方もすごいですが、言われて分かる方もすごいですよね。

僕もいろんなミュージシャンにインタビューしたり文献をあたったりしてきましたが、 若くして才能が開花した人ほど抽象的な話が多い気がします。
でも正直そんな話を聞いてもこれまではいまいちピンときませんでした。

しかし先日Acousphereの清水さんと話している時に、 演奏中の頭の中のイメージについて質問していると、 頭の中でグルーヴの円の映像が描かれている、 というような趣旨の答えが返ってきました。小さいグルーヴの円が連なり、同時に大きなグルーヴの円を感じている。
言っていることは抽象的ですが、 今回はなぜだかなんとなく理解ができそうな気がしました。
これまではわからなかったことが、 わかりかけているこの感じ。ちょっと嬉しいぞ。

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