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情報量を減らす!

楽器演奏をスムーズに弾くために、そして譜面を見ずに演奏するために必要な事のひとつは、演奏上の情報量を減らす事です。

ウクレレのレッスンをしていて、何か新しい曲のを始めるときに生徒さんに演奏するコツを伝えるときにはまず言葉を使い説明します。例えば、「Aのコードを押さえ、ダウンストロークを8回したのち、薬指を2弦の2フレットにつけてください。」などと長いセンテンスを使って説明します。そしてゆっくりのスピードでそれを頭の中で反芻しながら実際にウクレレで練習していきます。 

しかし原曲と同じ速いスピードで練習する時、僕は頭の中では、「Aのコード、そして薬指をつける。」などと短いセンテンスを考え演奏しています。なぜなら曲のスピードが早いと思考が追いつかなくなり、テンポに演奏が間に合わないからです。少ない情報量の中で練習していくと、次第に頭で考えずとも体がその動きを覚えていきます。 

ピアニストの演奏中の脳波を研究したある科学者が発見した事ですが、普通のピアニストは演奏中に次のフレーズの事、次の小節の事を考えて頭が高回転で働いているそうです。しかし1流のピアニストの脳波を見るとほとんど何も考えておらず、ほぼリラックスした状態で弾いているようです。恐らく頭ではなく体が反応して演奏しているのでしょう。 

さすがに1流の演奏者のように無我の境地で弾くのは難しいですが、情報量を少なくする事によって記憶も楽になり、体に動きを覚えさせるスピードも早くなります。ストロークのパターンを擬音で覚えたり、短い単語を使って覚えたりするなど、色々な情報量を少なくするテクニックがあります。ちょうど歴史の年号を覚えるための語呂合わせに近い感じですかね。ぜひそういったテクニックを探して演奏に練習にと役立ててください!

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