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アスリート的なギタリスト、学者的なギタリスト

最近は自分の中でソロギター熱があがっており、いろいろなソロ楽曲をコピーしています。 

直近ではTommy EmmanuelのソロギターHalfway homeと Tuck AndressのソロピースI wishを並行して勉強しているのですが、その中で二人のアプローチの違いやコンセプトの違いが見えてきます。

Tommy Emmanuelはチェットアトキンス奏法をベースにルーツライクな楽曲などを演奏するギタリストですが、楽曲のアレンジの中で小さな手では押さえるのが難しいコードフォームやとにかく頑張って練習しないと弾けない無理のある動きが出てきます。またすべての弦を押さえるセーハコードも多く、演奏していると手が痛くなってきます。しかしTommy Emmanuelは映像を見るとそんな難関な箇所でも難なく弾きこなしているので、とにかく練習してその箇所を弾けるようにする、努力型のギタリストのように思えます。あるいは弾けるやつは弾ける!弾けないやつは一生弾けない!ぐらい竹を割ったようなコンセプトのような気がします。

Tuck Andressの場合もレコードで聴く限りではそのようなタイプのギタリストのように思えますが、実はトリックやテクニックを使い、まるでベース、ドラム、ギターがすべて鳴っているように聴衆を勘違いさせる、魔法にかけるような事が出来ています。ですのでひとつひとつの演奏をパート分けすると実に理にかなって、手に負担のない動きをしています。コピーしていると細部にわたって考えぬかれている事が良くわかります。Tuckの場合は演奏のコンセプト、そのテクニックのコンセプトを見抜けば、難しい箇所もすんなりと弾けるようなアレンジになっています。

二人の違いを言葉に例えると、Tommy Emmanuelはアスリート的なギタリストと言え、Tuck Andressは学者的なギタリストと言えるかもしれません。勿論二人とも遥かに高い山の頂上にいるギタリストである事には間違いありません。

最後に二人の音楽的な指向性の違いがよくわかる動画を紹介します。Somewhere Over The rainbowを二人ともハーモニクスを多用したレニーブロウ奏法でソロギターアレンジにしているのですが、カラーが全然違って聴こえて面白いですね。ぜひ聴いてみてください!

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